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「……それは確かめてみれば分かる事か。」
言いながら、ハオは重い扉を開けた。
冷えた硬い床。天井から伸びる鎖の先には、腕を後ろで一つに纏められた白い人影があった。
「でも、信じられないね、ラキスト。」
傍らに控える部下に声を掛けつつ、人影の方へ進む。
這うような体勢から上目で睨む視線に臆した様子も無く、その場にしゃがむとくいと顎を持ち上げた。
吐息の掛かるほど至近距離で覗き込まれ、マルコは嫌悪を感じ顔を背けた。
そんなマルコに、ハオは目を細めて、優しく囁き問う。
「ねぇ、本当は女なんだって?」
「何を……馬鹿な事を……。」
「ふぅん?じゃあ確認してみようか……? ラキスト。」
さっ、とマルコの顔が青褪めた。ほぼ同時に、ラキストがマルコの上半身を起こすと、制服に手を掛け引き裂く。
乾いた音を立てブローチが床に転がった。
マルコが抵抗して足掻く。しかし鎖が軋んだ音を立てるだけだ。
幾重にも白い布の巻かれた胸が顕わになる。
ハオは微笑みすら浮かべ、懐から小型のナイフを取り出すと、マルコの頬にぴたりと当てる。
「顔に傷、つけられたくないでしょ? だったら大人しくしててよ。」
巻かれた布の下にナイフを入れると、ゆっくりとそれを上に向かって切り裂いていく。
切り刻まれた布が、はらりと床に舞う。
「……っ!!」
透き通るように滑らかで白い素肌が顕わになる。
男ならば何もないはずのラインが、かすかながら隆起して凹凸を作っていた。
マルコは慌てて体を丸め、ハオから自らの体を隠そうとする。
しかしそれもすぐに押さえられ、わずかに膨らんだ乳房や桜色の乳首に視線が注がれる。
「へぇ……本当だったんだ。」
日常的に布で押さえられていたため、成長の機会を失っていた胸は小振りではあったが綺麗な弧を描いていた。
その中心をハオが指先で軽く突くとマルコの体が跳ねた。
指は軽く添えるだけにし、戯れにそこを弄ぶように円を描いた。
たちまちそこは芯を持ったように硬く縮み尖る。それをきゅっと摘み上げた。
「触るな、放せっ!」
その時、マルコの首にあるチョーカーのような物が、ハオの目に留まった。
普段は服の下に隠れているので見えない位置にある。
それの中心部には装飾品の代わりに、小型の機械が取り付けられていた。
ふと思い立って、後ろの留金を外して奪いとる。すると、マルコが慌てて口を噤んだ。
「なるほど。」
納得したようにハオが呟く。これが声を変えるための装置らしい。
再度手を胸に戻し弄びながら、ハオは艶然と微笑んだ。
「聞かせてよ、本当の声……。」
先端をつまんだ指を擦り合わせるように動かし、軽く引っ張る。
マルコは俯いて唇を噛んだ。
そしてハオはゆっくりと全体を揉み始めた。
手のひらに収まって、まだ余裕があるほどの大きさの膨らみでしかなかったが、優しく包み愛撫する。
そして、大きくなるかもね、と言いながら笑った。
マルコが吐息を零した。それでも、声だけは出すまいと体を硬くした。ハオが困ったように苦笑いを浮かべる。
「下も脱がせてみようか。」
そう言うと、傍で成り行きを見ていたラキストに目配せする。
ラキストはひとつ頷くと、マルコの下肢を押さえつけた。
そして素早くベルトを外すとズボンを下着ごと引き摺り下ろす。
その上、足を開かせた状態で押さえつけた。
淡い色の茂みに覆われた秘所が、二人の男たちの視線に晒される。
マルコは目を閉じ、顔を背けた。震えながら、悔しさと羞恥から溢れそうになる涙を耐えた。
ハオは割れ目を指で探った。入り口はほんの少し湿ってはいたが、まだ固く閉じていた。
そのまま中に指を進めようとすると、マルコが激しく首を振って抵抗した。
「もしかして、初めて?」
返答は無かったが、マルコの表情がそれを肯定していた。
ハオは未だ誰も触れた事の無い媚肉を、左右に広げる。そこは他の部分より濃い赤をしていた。
じっと観察するような目が、マルコの羞恥を煽る。
そして、反応を楽しむように、指先で数度そこを突いてみる。
「流石にこれじゃ入らないか……慣らしといてよ」
そう言ってちらりとラキストを見遣ると、自分はその場に座り込んだ。
ラキストは突き飛ばすようにして、マルコの体勢を変える。
後ろから押されて、マルコが思わず床に手を付くと、腰を上に持ち上げられた。
秘所とともに、後孔まで全てが目に触れる格好になる。
始めにラキストは花芯を指で抓んだ。ゆっくりと、指を上下させて擦る。
マルコの体が、微かに震える。上半身を支えていた腕から力が抜けたのか、床に頬をついた。
じわりと熱が広がり、太ももや額が汗ばんだ。
徐々にラキストの指の動きが強くなってくる。そして、指は入り口をぬるりと滑った。
ラキストは一旦指を離すと、今度は秘所へ唇を寄せた。
花芯の先を丁寧になぞり、尖ったそこを吸い上げる。
ラキストの舌が触れている部分だけが、燃えるように熱い。
支えられていなければ、下半身が溶けてしまうような錯覚さえ覚えた。
舌が移動していく。蜜口へ来ると、溢れ始めた愛液を舐め取るように動き始め、段々と中まで進入してくる。
いくら声を殺しても、紅潮する頬や、愉悦で滲む涙、そして荒くなる呼吸は隠せない。
マルコの鼓動が痛い程激しく、早くなる。
「気持ちよさそうだね。いい表情だよ。」
そんなマルコの様子を眺めていたハオが面白がって声をかけた。
瞳を潤ませ、それでも睨みつける様は扇情的で、艶めいていた。
「こうしてみると、やっぱり「女」だね……ラキスト、中も。」
命じられた通り、ラキストは舌に代わって指をマルコの中に入れた。
人差し指が、濡れた音を立て簡単に中へと埋まった。
何度も息を吐きながら、マルコは必死で床に爪を立て、堪える。
しばらく見物に徹していたハオが動いた。
マルコの髪を掴み、顔を上げさせる。
そして自らのものを取り出し、マルコの口元へ押し当てる。
吐息を零した瞬間を狙い、口をこじ開け無理矢理中へと捻じ込んだ。
既にそそり立っていたそれが、マルコの口を塞いだ。息を詰まらせるのも構わず口内を蹂躙する。
マルコの意思に構わず、何度も出し入れされる。唾液が零れ、顎を伝い床へと落ちた。
そして秘所は、ラキストの指に貫かれたままだった。ラキストは人差し指で何度か円を描いたのち、指を増やした。
マルコの体は抵抗なくそれを受け入れ、すぐに中を犯す指は三本まで増えた。
ばらばらに中を擦られ、秘所は濡れた淫猥な音を響かせた。
知らず知らずのうち、自らラキストの指に擦りつけるように腰を動かしていた。
マルコはそれを止めようとますます身を硬くする。
「濡れてる?」
ハオが、マルコの口内を犯すのは止めずラキストに問い掛ける。
ラキストは無言のまま指を抜いた。その指は粘液に濡れてぬめっていた。ぽた、と愛液が床に垂れる。
ハオは頷くと、マルコの喉奥を抉るように自らのもので突いた。
マルコは思わず吐きそうになる。しかし噎せる事すら口を塞がれていてままならない。
呼吸が苦しく、意識が朦朧としてくる。
マルコは苦痛からの解放を求め、無意識の内にハオのものに歯を立てた。
それほど力はなかったが、流石のハオもこれには顔を顰めた。
口内から引き抜くと、マルコを殴り倒した。
床に這いつくばったマルコを、さらに数発足蹴にする。
マルコは激しく噎せながら、抵抗することもできず、そのまま殴られ続けた。
「―――そんなにすぐ入れて欲しい?」
言葉だけは優しく、しかし恐ろしいほど冷たい瞳でハオが言う。
問いの形を取ってはいたが、返答など聞くつもりは最初から無いようだった。
ラキストを退け、有無を言わせずマルコの腰を持ち上げた。
蜜口を数度確かめるように滑ったかと思うと、いきなり奥まで屹立を突き立てる。
体を引き裂かれるような激痛がマルコを襲う。
体内に異物が入ってくる、未知の感覚にマルコは慄いた。
「痛い? 痛かったら、泣き叫んでもいいんだよ……。」
マルコが体に力を入れているせいで、中はひどくきつく締まっていた。
あまり自由に動ける状態ではなかったが、それでも構わずハオは無理矢理に激しく中を抉る。
破瓜の痛みに耐えるため、噛み締めていた唇が破れ血が流れる。僅かに零れた涙が、床を濡らした。
ハオが中で動く度、電撃のように体中が痛みを訴えた。内臓を貫かれているような錯覚さえ覚えた。
何度も出し入れを繰り返されるうち、泡立ったどちらのものともつかない蜜が、
卑猥な水音を立て、部屋中にそれだけが響いた。
気を失う事も出来ず、マルコが暴れれば暴れるほど、苦痛だけが全身を支配する。
ハオが笑い声を上げた。マルコの背に体を覆い被せ、全身に爪を立てた。
白く薄い皮膚が裂け、血が滲み出す。しかし貫かれた部分は、そんな事にも気が付かない程酷く痛んでいた。
一体どれほどそうして揺さぶられていたのか分からない。マルコは、もう何時間も弄ばれているような気がしていた。
最早抵抗することもできず、ひたすら犯され続けていた。痛みは去る事を知らないようで、未だにマルコを苛み続ける。
苦痛どころでは無くなったころ、ハオが一際深くマルコを貫いた。最奥に屹立の先端が当たる。
そしてその中で、ハオの欲望が弾けた。
どくん、とマルコは体内で鼓動のようなものが波打つのを感じた。自分の中に、何かが流れ込んでくる。
それが収まると、ハオは自らのものを抜いた。引き抜かれる最後の瞬間まで、蜜口には痛みが走った。
全てが終わった事を悟ると同時に、マルコの体から一気に力が抜けた。
全身はまだ苦痛を訴えつづけていたが、そのまま床にうつ伏せで倒れた。肺が空気を吸い込む。
自らの鼓動が、早鐘のように聞こえた。
ハオはそんなマルコを一瞥し、先ほどまで屹立を咥えていた部分へと視線を落とした。
一筋の血が流れている。
身なりを整えると、ハオは急に興味が冷めたように踵を返した。
そして去り際、つまらなさそうに吐き捨てた。
「ラキスト、 ……処理しておけ。」
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